2013年09月01日

ちゅうくん語り〜「カリオストロ伯爵夫人」編

さてさて。「カリオストロ伯爵夫人」の語り、とりあえず完成です。

実は自分としてはちょっと中途半端な出来となっておりまして、もしかしたら後から修正もしくは加筆があるかもしません。自分の気持ちは盛り上がってるんだけど言葉にならない感じでね〜〜〜。表現力不足ですね。

いつものように生温かい気持ちで読んでください。

この記事にはコメントは受け付けておりませんのご了承ください。

では、どうぞ。



配役を知ったとき、私はまだ原作を読んでいませんでした。でも「怪人物」って書いてある・・・。しかも倉本さんとW・・・。これは普通の役じゃない!少なくとも今までちゅうくんがライフの公演で本役として演じてきた役たちとは違う・・・。

「宝を追う組織の首領」ってことは悪いじゃん。ダーティーじゃん!
私の語りを以前から読んでくださっている方はご存知ですよね、私がちゅうくんには「悪の華」があるとずっと言ってること。今回はその華をライフで開くチャンスではないか。そう思ったのです。外部ではすでにいわゆる悪役も増えていて、その魅力を発揮し始めています。

ちゅうくんの演じる「悪」はただの悪者ではありません。そこには必ず「正義」や「信念」があります。他から見たら「悪」や「狂気」でも、本人にとっては「本気」を突き詰めた結果なのです。それこそがちゅうくんの持つ「悪」の魅力。

私がとっくに気がついているちゅうくんの魅力に倉田さんが気がついていないはずがありません。だからこそ、本役ではない役や若手公演では悪っぽい役をときどき任されていたのだと、私は思っています。
倉田さんの求める「悪」や「狂気」はもっと深いのでしょう。その芽を持っているというだけではライフの「悪」はできない。まだまだ足りない。だから時が来るのを待っていたのではないかと。芽が育つのを・・・。

ちゅうくんが外部で経験を積んで成長して、得たものを自分の中でちゃんと変換してライフの公演に持ち帰っているから、「今なら」ということになったのではないか。そう思いました。
稽古が辛く苦しいものになることは容易に想像できました。でもそこには、打たれ強くなって戻ってきたちゅうくんへの倉田さんの信頼と期待が込められているはずです。ちゅうくんは必ずその期待に応えてくれる。苦しいときも乗り越え、ちゅうくんにしかできないボーマニャンを生み出してくれる。私もそう信じていました。これらは私の勝手な想像にすぎませんが、いくらかは当たってるんじゃないかと思っています。

原作を読んで、ボーマニャンとしてすんなりイメージできたのはやはり倉本さんでした。怪しげな組織のトップに立つカリスマ性、世俗からどこか離れた雰囲気・・・。でもちゅうくんが演じたら全く違うものになる。
ボーマニャンの「正義」をどこに見出すんだろう。原作ではその辺のことは詳しく書かれてはいないので、ちゅうくんが自分なりに考えて足りないところを埋めてってことになりますよね。その辺の内容はなかなか公表してはくれないだろうけど、何か少しでも私が感じ取れたらいいな・・・。そう思いながら開幕を待っていました。

開幕してみると・・・、やはり2人のボーマニャンは全く違っていて、それぞれの持ち味がよく生かされていました。明らかに年齢の違うボーマニャンになるわけで、組織の束ね方にも違いが。倉本さんは絶対的なボス、ちゅうくんは自分が動くことで仲間を引っ張るという印象。このところ若手のリーダーシップとって劇団の若い力を牽引していますが、そういう今の状況も少なからず表れているのではないかという気もしました。

初見のときにちゅうくんのボーマニャンから感じたのは、「この人は宝を手に入れて信者や民のために使うつもりなんだろうな」というものでした。それこそがボーマニャンの「正義」。(あくまでも私の感じたことですよ)教会が貯えた宝を、神に仕える自分が信者のために使おうとしているのだから、どんな手を使ってでも宝を手に入れてみせるっていう感じ。
でも2回目以降、ボーマニャンから受ける印象がもっと腹黒くなりました(笑)。「信者のため民のため」という名目で、結局は自分たちの都合の良いように使っちゃいそうだな、と。でも宝の全てを黙って全て自分たちの懐に入れてしまうようなことはしなさそう。

なぜそう変化したのか、それはボーマニャンの熱が日に日に増していったからだと思います。激しく感情をぶつける場面よりも、煮えたぎる感情を抑えた表現をしているときのほうがそれを感じました。表面上抑えているから、その分内圧が日に日に上がっていったんです。
私はちゅうくんのこの「抑えた表現だからこそ伝わる強い想い」が大好きです。その表現も年齢を重ねるにつれて深みを増しています。去年外部で悪役を演じたときよりも、凄みや威圧感に重厚さが増していました。

今回このボーマニャンという役の奥深さを感じたのは、「やり過ぎが遠い」というところです。説明しますね。ちゅうくんはというか役者はみんなそうなんだろうけど、開幕してからも役を追及しますよね、より深く、より実感をこめて。そうするとちゅうくんの場合、やり過ぎるという悪い癖が見えてくることがある。簡単に言うとあざとくなってくる。もちろんいつもはそこで周りとのバランスとって修正するわけですが、今回はどんなにボーマニャンから感じる熱量が上がっても、ぜんぜんやり過ぎのラインが見えませんでした。それくらい、ボーマニャンだけではなく登場する全ての役が奥深かったんだと思います。まあどんどん魔女度がアップする青木ジョジーヌと対峙してるんだもの、ボーマニャンだけがやり過ぎるのは難しいですよね(笑)。

全体を通して堂々とした威厳ある振る舞いは正に組織の首領。自分の信じる正義のために宝を追い続ける信念。特に灯台でのシーンはジョゼフィーヌへの断ち切れない愛情、愛していたからこそ深い憎しみ、だからこそ傷つけ苦しめたい想い、それらが複雑に絡み合ったある種の狂気を感じました。これこそが私の待ち望んでいたちゅうくんの華。皆さんがどう思われたのかはわかりません。世界中に賛同者が1人もいなくたってかまわない。とにかく私は待っていたのです。

近づいた動機はどうあれジョジーヌへの愛は真実のもの。裏切られたことへの憎しみも。その上で生まれた狂気。ほら、そこにあるのは「本気」とその先の「狂気」。私がずっと言い続けていたものです。
ライフの中で、今までとは違う一面を確立できたと、私は確信しています。

そしていつものように丁寧に心情と場面を追う芝居から、ボーマニャンの持つ心情の複雑さを感じました。愛、憎しみ、狂気、信念、熱情、怒り、そして絶望。感情の振れ幅も大きい、気力もいる難しい役だったと思います。

途中、歌もありましたが・・・。全く問題なかったですよね。もちろんコーラスの力添えも大きかったと思います。でもあくまでもボーマニャンの想いを歌に乗せて届けていたのはちゅうくんなわけで、その点でも私は何の心配もなく聞いていました。
余談ですが、ジョジーヌvs男たちの歌、Mチームの男たちの声が物凄く厚みのある歌声で、Tチームとは段違いでした。

ボーマニャンは絶望して死を選びますが、あのままジョジーヌを追うということは考えなかったのでしょうか。全てを掛けて宝を探し続けたのに、神に背いてまで愛した女に裏切られ、宝も奪われ、憎しみも精根も尽き果てた・・・・・。そしてラウールに後を託した。死に際にラウールとデティーグに語りかける様子も倉本さんとは印象が違って、仲間や同志に語りかけるようでした。あの場面からはボーマニャンの無念さが痛いほど伝わってきて、思わず涙が・・・。でもここ、ストーリー上こんなに感動的な場面でしたっけ?私にとってはクライマックスでしたけどね(笑)。

その日の呼吸で細かいところが変わるのがちゅうくんの芝居です。今回それがわかりやすかったのは、灯台で捕らえられているところ。ラウールが謎解きの前に「僕の脳細胞の一つ一つが宝石に値するんだから」云々しゃべっているのを聞いて思わず笑っちゃうボーマニャン氏。小バカにしてるっていう基本スタンスは同じなのですが、その笑い方が毎回微妙に違っていました。鼻でふんっと笑うときもあれば、「けっ」って感じのときもあれば、ニヤリとするときもあれば、「はぁ?」って顔のときもあり。今日はどんな顔するかな?って実はここのシーンを楽しみにしてました(笑)。

それと、ボーマニャンの家をラウールが訪ねてきた場面。動きや間が毎回少しずつ違ってて、今日は溜め気味だなとか、今日は軽く言うんだとか、いろいろ感じながら観るのも楽しかったです。


ではボーマニャン以外の役について。
ヴァスールさん。
久しぶりにちゅうくんの女性役観ました。元々女性役やるときにも特に声を高くしたりしない人なので(ライフの女性役に求められてるのはそういうことじゃないだろうから無問題です)、いつもの芝居と大きく違うことはありません。でも観るたびに女性度がアップしていきました。ちょっとした仕草や雰囲気が。
どうも女性役に乗り気じゃなさそうなんですよね〜いつも。でもそのお顔立ちなら絶対にかわいいのに・・・。もったいないなぁ。というかライフに入ったんだからもっと積極的に女性役やりましょうよ(笑)。
確かにライフの中にも「女性役あまりやらない」という道は薄っすらあるけれど、たまに来る女性役に拒絶心持ったままその道を進んでほしくはありません。

競りの男。
お見事。威勢のいい声はこういう役にぴったりです!まあどちらかというとオークションより市場向き?(笑)いえ、どちらもいけますね。
1つ疑問なのは、ボーマニャンがあの神書を落札したのは偶然なのか、それとも中に覚え書きが入っているのを承知で競り落としたのか・・・。原作では偶然かなと思って読んでたけど、舞台では明らかにボーマニャンはわかって落札してるように見えた・・・。だとしたらボーマニャンはどうやってそのことを知ったのか。
まあそこを考え始めると話が物凄く複雑に広がっちゃうから、ボーマニャンは情報通だからどこかで聞いてきたってことで理解しておけばいいかな。

ルースラン。
たしかに買収されて黙っちゃうような、気の弱そうな人だなぁ・・・。そのストレスで病気になっちゃったとか。考えられるな・・・(今思いついた)。
千穐楽の挨拶でどなたかもおっしゃってましたが、この夫婦の娘がブリジットって信じがたい(笑)。
ルースランの出番は少なくてセリフもないけど、その佇まいはルースランの役割をしっかり表していました。



今回、いつも以上にちゅうくんから「観てください」という想いが強く発せられているように感じて、私もそれに少しでも応えられるようにと頑張ったつもりですが、まだまだ観足りない気分です。ですが、苦しみの先に新たな一面を確立した公演を見届けることができて幸せです。また一段上へと登りましたね。そしてまた次の一歩へ・・・・・・。
posted by 白ヤギ at 19:29| ちゅうくん語り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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