2011年11月20日

ちゅうくん語り〜「abc赤坂ボーイズキャバレー2回表」編

待ってくださってる方がいるかどうかわかりませんが、恒例のちゅうくん語り、またまた登場です。

あくまでも一個人の感想&備忘録ということをご理解いただき、温かい目で見てください。よろしくお願いします。

いつものように長いです。そしていつものようにこの語りに関してはコメントは受け付けません。ご了承ください。




星野満 29歳。去年のabcで最後の大事なセリフを他人に奪われ、今度こそ最後までセリフをきっちり言ってやる!と参加。相変わらず態度デカイですけどね、敬愛する愛川先生(大ちゃん演じる演出家)にはちゃんと尊敬の念は表してます。

abcといえば楽しく華やかなステージと、キャストそれぞれが抱えてるものがあり、それをしっかり見つめて、さあここから歩き出そう・・・という物語。星野の抱えてるものはなんだろう・・・。多くのキャストの中でも星野はペーソス担当ではないので、彼の人となりはあまりよくわかりません。彼の心の奥にもあるはずの苦しみを、いつか観てみたいです。

とはいえ今回も星野は自由人。そして表の舞台本番の芝居では悪役を安定して演じ、見事にラストのセリフも成し遂げました。


去年に続いての星野満役。パンフレットの人物紹介によると、この一年でいろいろあって星野は成長している・・・・・らしい。ただ、いかんせんこの人の素性はわからないので、人間的な成長が具体的に目に見えて表れてるシーンは・・・あったとすれば去年より若干協調姿勢が見られたというところでしょうか。
役者としての成長については、パフォーマーとしての実力は確実に去年よりアップしていました。それは「仲原裕之」という役者の成長そのものですね。動きも芝居も安定感が増してました。

ただし殺陣に関してはちょっと気になったことあり。後述します。

パンフレットの中で「自分の体の中でここを見てくれ!という場所はどこですか?」という質問に対し、仲原くんは「体幹」と答えています。どうりで軸が安定したわけです。私がそれをはっきりと感じるようになったのは去年の夏以降ですが、鍛えてたんでしょうね、おそらく。


今回も一幕でキャストそれぞれの抱えてるものを吐露し、回想シーンで他のメンバーが小芝居(こら)をするという演出です。去年から引き続きのメンバーはこの一年のことを語ったりしているのですが、ここでも星野は「奪われたラストのセリフ」のことを語っているので、一年間何をしていたのかイマイチわかりません。

小芝居での登場は、ミュージカル気質なキャストの回想シーンで歌って踊ってミュージカルチックな場面を作り出し、韓国の芸能事務所の社長を演じたり。
あの場で急にセリフを歌いだしてミュージカルになるというのはもうそれだけで笑えるのですが、それを盛り上げる仲原くんたちも「これが当たり前」みたいにやってるので、可笑しさ倍増(笑)。ここでひとしきり盛り上がることで、次に続く静かなシーンとのメリハリがよりはっきりして効果的でした。
私は韓国語は全くわからないのですが、あの社長さんの言葉は正解だったのでしょうか?調子はいいけどどこか胡散臭い社長だと感じたのは私だけ?(笑)ヒゲのせいか・・・・・。

去年に比べてそれぞれの小芝居参加人数が少ないので、登場回数も去年より少なかったです。その代わり今回星野は最初からずっと稽古に参加しているので(去年はオーディション後に一旦離れていて、後から戻ってきた)、稽古段階でのほかのキャストとの絡みが見られたのは新鮮でした。ちゃんと溶け込めてるじゃないか〜〜みたいな(笑)。

今年もまた自由に賑やかしパートを担っているのかなと思っていたんです。前夜祭もあんな(あんなって言うな)でしたし。でも同じく全力で盛り上げてくるだろうと思っていた吉田友一さんが体調不良で初日から休演。残念ながら一度も本番には出られず降板ということになってしまいました。もし吉田さんが予定通りご出演されていたら、また違ったのかもしれませんね。
・・・というと不満があるように受け取られるかもしれませんが、そういう意味ではありませんよ。誤解のないように。

二幕は「赤坂ボーイズキャバレー」表の本番。去年に引き続き星野は「悪」役です。三上くん演じる葉山に仕えていると見せかけて、実は敵である榊の小姓だったという過去があり、本当は今も榊を慕っているので、スパイの役割です。
ふてぶてしさすら感じるゆったりとした動き、凄みのある低めの声、さらに今回はヒゲを生やしていたのでより悪そうに感じました。ヒゲは正解でしたね。小者ではない、度胸ある「悪」でした。

でも周りから見たら悪でも星野にとっては一途な忠誠心だったのですよね、ずっと榊を思っていたのだから。そんな星野がどういう経緯で葉山の下へ潜り込んだのかはわかりませんが、葉山家でもけっこう信頼されてる家臣のようだったので、仕事は出来る人物だったんでしょうね。


榊のセリフ、「芝居小屋を壊して何が悪い!芝居なんて何の役にも立たないものなんだろ!」
潮見兄のセリフ、「芝居なんて何の役にも立たないものでしょ、それなのに、役者になりたいという若者は大勢いる」・・・役者は全うな道を踏み外した人間だと言ってますからね、兄は。

でも「役者になりたい人間がたくさんいる」という兄自身が言ったそのことが、一つの答えではありませんか。芝居は昔から行われていました。それから現在まで、どんなに規制されても必ず盛り返して芝居はずっと続いている。役者になりたいという人も次々現れる。それは、芝居が「必要」とされているからに他ならないのではありませんか。毎回そう思いながら観ていました。

それを言葉で説明しろと言われても難しいですね、そんなことで伝わるものではないから。特に今年は「芝居」を生業としている人の多くが真剣に考えたはずです。世の中が大変なときに芝居なんかしていていいのか。役者は無力なのか・・・・。

とんでもない!!!役者は芝居でみんなの気持ちを豊かにすることが出来る。伝えていくことが出来る。素晴らしい「力」を持っています。どんなに物がいっぱいあっても、心が豊かでなければ幸せではありません。


必死で芝居小屋を守ろうとする村人たち=役者たちの「想い」を受け入れた榊は葉山に「俺を殺せ」と。(というか、途中で潮見兄が勝手に台本変えてこんな問いかけになったけど、ようやく本来の台本に戻ったという設定です)いよいよ榊に刃が・・・・・・というところで舞台下手から猛ダッシュしてくる1人の男・・・・・・星野だ!!!!

榊をかばい、グサッと刺されて死に際の決め台詞、「この世の中、誰かが悪者にならなきゃ、おもしろくねえだろ〜〜!」

お見事。

念願のセリフを言えて想いを遂げた星野に客席から拍手が。温かい拍手でしたね。
余談。この後榊は現小姓の三田村に刺されます。このとき客席で笑いが起こるのが不思議で仕方なかったです。このシーン、深いですよ。私は一切笑えなかったです。

終演後の楽屋というシーンで「セリフが言えた!」と喜んでいる星野に、またしても温かな拍手。愛されてますね、星野は。たとえ悪となろうとも、忠誠を貫き命をかけて主人を守る気持ちの熱さと、星野のパッションと、仲原くん自身の芝居に対する熱さとがリンクして、いつしか星野満という人が本当にいるような気持ちになって観ていました。


ロミジュリのときから仲原くんの悪役を推してる私。(嘘だと思ったらロミジュリの語りまで遡ってみてください。過去ブログにあります。)ティボルト従者のときの悪〜〜い顔がめちゃめちゃカッコよかったのです。だから絶対悪役似合うはず!と思っていたら、その後Sっ気の役が増えてきました。
本役は正統派の役が多いんだけど、裏キャストでは割とSな役。そうやって少しずつ積み重ね、abc青山で少し形になって、去年のabc赤坂「表」でより確かに成長し、そして今回のabc・・・。一層磨きがかかった「悪」に痺れました。
ライフ本役でのノーブルな雰囲気とは違うブラックな雰囲気。そこから垣間見える「狂気」もこの先期待したいところですが、今回はともかく私が以前から仲原くんの中に見ていた「悪の華」が確実に開花し始めたことが嬉しいです。これからもっと大きく、美しく花開いていくのがとても楽しみです。


今回気になった点は2点です。
1つは、ラストに下手から走ってくる前、ステージに大きな影が見えたこと。私が観たときはチラッとではなくて、ステージ中央付近にまで達する大きな影が一秒くらいユラッとだったので、最初は「わざと見せてるのか?」と思ったほど。去年のを観た人で勘のいい人はそれで気がつくでしょう、星野が来る!って。
でもある日を境にほとんど影が出なくなりました。ということは、見えないほうがいい影だったわけですよね。やっぱり前触れなくいきなり星野が走ってきたほうが迫力がありました。

もう1つは仲原くんの殺陣。全くの素人目ですので的外れなことかもしれませんが、仲原くんの殺陣を観ていて、清水順二さんや中村誠治郎さんといった殺陣のお得意な方々と比べて何かが違うな〜と思っていて・・・・・・。それがずっとひっかかっていたのですが、具体的に何なのかがわからなくて・・・。でも何かが違うんですよ。いったい何が・・・?

ようやくそれに気がついたのは自分の東京公演観劇が終わるときでした。

上体の角度が違う。仲原くんは上体が引けてることが多いんです。攻めてるシーンで、足は前に出てるのに上体が後ろに反れてる。かと思ったら前のめり過ぎなときもあり。刀が大振りで、無駄な動きになって隙が出来てる・・・ように私には見えました。

でも大阪での大楽では上体の反りが小さくなり、刀も大振り過ぎず隙が少なくなっていたように感じました。きっとこれからもっとシャープな殺陣になると信じています。

ちなみに以上の2点はご本人には手紙などでお伝えしましたので、ここをお読みになった方が「ファンのくせにこんなこと書いてたよ」とわざわざ仲原くんに教えていただかなくてもけっこうです。

星野満の存在がabcに必要なものとなっていること、前夜祭から通して仲原くんがこのカンパニーに必要な存在となっていること、そのことを客席にいて肌で感じることができ、本当に嬉しく思いました。この後「裏」へのご出演が決まっている星野さん。彼の裏にはいったい何があるのか、知りたい気持ちといつまでも謎にしておきたい気持ちと両方あるのですが、どんなことがどこまで明かされるのか楽しみに待ちたいと思います。

posted by 白ヤギ at 20:47| ちゅうくん語り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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